
本書は、すべての人間に共通する「悩み」の実態とその克服法について述べた本である。著者 デール・カーネギーは、コミュニケーション講座の講師をしながら、あらゆる受講生たちにとっての重大問題は「コミュニケーション」と「悩み」であるとしった。しかし当時、「悩み」の解決方法について説かれた本はわずかしかなかった。
そこで、著者は7年もの執筆期間のあいだ、徹底的に「悩み」の実態解明に取り組み、「悩み」についての古今東西の専門書や伝記の読破、インタビュー、さらには学生からのフィードバックなどを通じ、誰よりも多く「いかに悩みを克服したか」という話に耳を傾けてきた。その知識をわかりやすくかみ砕いて整理された。
読破ポイント💡
章ごとに「どう生きたらよいか」というタイトルがあり、様々な人の体験談が綴られ、最後にまとめがある。
体験談読んで共感したりする必要がなければ最後のまとめだけ読めばよい。ただ、要点だけだとイメージしにくいところもあるので、本買ってしっかり読んだほうがいいです。
本書の目次
訳者まえがき
◇PART1 悩みに関する基本事項
1 今日、一日の区切りで生きよ
2 悩みを解決するための魔術的公式
3 悩みがもたらす副作用
◇PART2 悩みを分析する基礎技術
4 悩みの分析と解消法
5 仕事の悩みを半減させる方法
◇PART3 悩みの習慣を早期に断つ方法
6 心の中から悩みを追い出すには
7 カブトムシに打ち倒されるな
8 多くの悩みを閉め出すには
9 避けられない運命には調子を合わせる
10 悩みに歯止めをかける
11 おがくずを挽こうとするな
◇PART4 平和と幸福をもたらす精神状態を養う方法
12 生活を転換させる指針
13 仕返しは高くつく
14 恩知らずを気にしない方法
15 百万ドルか、手持ちの財産か
16 自己を知り、自己に徹する
17 レモンを手に入れたらレモネードをつくれ
18 二週間でうつを治すには
◇PART5 悩みを完全に克服する方法
19 私の両親はいかにして悩みを克服したか
◇PART6 批判を気にしない方法
20 死んだ犬を蹴飛ばす者はいない
21 非難に傷つかないためには
22 私の犯した愚かな行為
◇PART7 疲労と悩みを予防し心身を充実させる方法
23 活動時間を一時間増やすには
24 疲れの原因とその対策
25 疲労を忘れ、若さを保つ方法
26 疲労と悩みを予防する四つの習慣
27 疲労や悩みの原因となる倦怠を追い払うには
28 不眠症で悩まないために
悩みに関する基本事項

「悩み」は人間が直面する重大問題の1つである。
たいていの人は、悩みを克服したいと思いつつ、引きずりまわされている。
悩みを克服する為には、以下の3つの「悩みに関する基本事項」を知る必要がある。
今日1日を生きる
「我々にとって大切な事は、遠くにぼんやりと存在するものに目をやるのではなく、手近にはっきりと存在することを実行することだ。」(トマス・カーライル)
この言葉の意味するところは、「今日1日区切りで」生きることである。
「全ての知恵と情熱とを今日1日に傾けること!」それが明日への最高の準備です。
不安と戦う術を知らないビジネスマンは若くして死ぬことになる
(ノーベル生理学・医学賞受賞、アレクシス・カレル博士)
全知全能を傾け、今日の仕事を今日中に仕上げるのである。
その日の生活から、過去と未来を締め出すことで、機能の重荷と明日の重荷から開放する。
「明日の事を思い悩むな」というキリストの言葉や、「今日、1日区切りで生きる」という言葉に注意していたら、幸せ生活が送れる。悩みと縁を切りたいのであれば、今日のために生きる。
悩みを解決する魔術的公式
悩みを手っ取り早く解決する方法は、失敗に悩むのではなく、その事態に対処する方法を考える事である。
その方法は以下の3段階で成り立っている。
- 第1に「状況を大胆率直に分析し、その失敗の結果生じる最悪の事態を予測する。」
- 第2に「最悪の事態を予測したら、やむを得ない場合にはその結果に従う覚悟をする。」
- 第3に「これを転機として、最悪の事態を少しでも好転させるように冷静に自分の時間とエネルギーを集中させる。」
悩みの最大の欠陥は、集中力を奪う事である。
そのため、最悪の事態を想定し、それに対する心の備えを固めれば、問題解決に集中できる。
悩みがもたらす副作用
ノーベル医学賞を受賞したアレクシス・カレル博士は言う。
「悩みに対する戦略を知らないビジネスマンは若死にする。」と。
不安が高じると悩みに変わる。悩みは人間を緊張させ、イライラさせるから、胃の神経が刺激されて、胃液が正常から異常へと変化し、しばしば胃潰瘍にまで進行する
- 問題点は何か?
- 問題の原因は何か?
- いくとおりの解決策があって、それらはどんなものか?
- 望ましい解決策はどれか?
ある医師によれば、患者の7割は不安や悩みを取り除きさえすれば、全快するといる。代表例として、精神的消化不良、胃潰瘍、心臓病、不眠症などである。悩みが健康と言う法外な代償を支払っている事を知る。←病は気からというように無闇に悩まない事が大切
悩みを分析する基礎技術
数々の悩みに対処するには、問題を「事実の把握」「事実の分析」「決断・実行」の3段階に分けて処理する事が必要。
事実の把握に関していえること
「悩みの大半は、判断の根拠となる知識が十分でないのにあえて判断を下そうとするから生じる」
「誰でも時間の許すかぎり、公平な客観的立場で事実を集める事に専念すれば、普通の場合、悩みなど知識の光によって蒸発してしまう。」
だが、現実にはあることで悩み始めると、自分の行為や抱いている偏見を正当化する事実、自分の希望的観測に好都合な事実ばかりを探し、他を無視してしまう。
これでは、問題に対する答えが得られなくなり、「公平な客観的」態度で事実を集めなければならない。
事実を客観的態度で眺める為のアイディア
「事実を把握しようとする際に、情報集めは自分の為ではなく、誰か他人の為なのだと思う。」
「自分を悩ましている問題について事実を集めるときは、自分を自分の反対側に立って反論使用としている弁護士とみなし、反論を加える準備をしているつもりになる。つまり、自分に不利な事実をすべて把握するよう努める。」
こうすると、事実に対して冷静かつ公平な観察ができ、感情を取り除く事ができる。
このように悩みを解決する為の第一歩は事実の把握にある。
公平な態度で事実を集める事→事実を分析、解明→事実を紙に書き出し分析すると、作業が容易になる→全体の事実を慎重に比較検討し、決断する→決断後、実行する際は、その結果に対する責任や不安は捨て、考え直したりためらったりしない。
問題をある程度以上に考え続けると、混乱や不安が生じる。
悩みの習慣を断ち切る6つの鉄則

悩みは1つの習慣といえ、この習慣を断ち切る為には以下の6つの鉄則を実践する。
①忙しい状態でいる
人は忙しいときには悩まない。人は1つの事しか思考できないからである。「惨めな気持ちになる秘訣は、自分が幸福であるか否かを考える暇を持つことだ。」とジョージ・バナード・ジョーは言う。忙しく働き、多忙を求め、維持する事がもっと安価で絶大な効果のある治療薬。
②小事で心を乱さない
些細な出来事「気分をイラつかせるもの」に気を悩ませることがある。事実、刑事裁判の大半はつまらぬ事が原因である。心の安らぎを得たければ、小事にこだわらない。人生はあまりにも短いのである。
③記録を調べる
悩んだ事の99%は実際には起こらない。記録を調べて自分の悩みが正当なものかを判断すれば、悩みの9割は解消される。今後悩む事があったら、まずは記録を調べ、自問する。「不安の種になっている事柄が実際に起こる確率はどのくらいか?」と。
④避けられない運命に調子を合わせる長い人生を歩む際に、どうにもならない不愉快な立場に立つことがある。
それはどうしようもないが、選択肢はある。その立場を天命として受け取り、自分を順応させる事もできるし、一生を台無しにしてまで反抗し、神経衰弱することもできる。哲学者ウィリアム・ジェームズは言う。「物事をあるがままの姿で受け入れよ。起こったことを受け入れることが、不幸な結果を克服する第一歩である。」ショーベンハウエルは言う。「諦めを十分に用意する事が、人生の旅支度をする際に何よりも重要だ。」避けようのないものに反抗しても、変える事はできないが、自分を変える事はできる。それに抵抗を続けると、市内に内面的な葛藤が生じ、不安になり、ノイローゼになる。
⑤悩みに歯止めをかける
株式売買の基本原則の1つに「ストップ・ロス・オーダー」がある。損失を大きくしない為の歯止めであるこの理論を応用すれば、自分の短期・癇癪・後悔などのあらゆる精神的緊張に対処できる。「この状況はこの程度のイライラで十分だ」と自分に言い聞かせ、その状況を終わらせるのである。ベンジャミン・フランクリンは言う。「人間の不幸の大部分は、人々が物の値打ちを誤って評価してしまい、それぞれの呼子笛に対して代金を払いすぎているところに原因がある」と。悩みで身を滅ぼす前に、一度立ち止まって以下の3つの問いを考える。悩んでいることは、実際にどの程度重要かこの悩みに対するストップ・ロス・オーダーをどの時点で出して、それを忘れるべきかこの呼子笛に対していくら払えばよいか。
⑥おが屑を挽かない
実際に起きた出来事を変える事はできない。その過去を建設的なものにする方法は1つしかない過去の失敗を冷静に分析し、何かの足しにする。それ以外は忘れ去る。過去既に終わった事についてクヨクヨ悩むのは、おが屑を挽こうとしているのと同じである。過去を元通りにすることはできないのだ。
私たちにとって大切なことは、遠くにぼんやりと存在するものに目をやることではなく、手近にはっきりと存在することを実行することだ。
非難を気にしない決めるのは自分次第
非難が来たとして、それを気にするかどうかを決めるのは自分次第です。人は自分自身のことばかり考えています。だからこそネガティブな意見に敏感になるのですが、多くの人は他人の事など興味がないという事実がある。
自分の心で正しいと感じているのであれば、何も他人の意見に自分の意見を合わせたり、振り回される必要ない。
あらゆる批判を無視するのでは無く、不当な批判は無視。何かをしようとする時、「何か言われるのでは無いか」と恐れて行動出来ない人も多いが、大きなことをしてもしなくても悪口を言われるし、生きている以上陰口からは逃れられないので、それならば自分の心で正しいと思う事を信じてそれに従うようにしよう。
まとめ
本書は史上最高の人生改革の書とも言われるD・カーネギーの「道は開ける」の新訳版でした。重要な部分を選んで見やすいレイアウトに再編集されており、一度カーネギーの著作に挫折した人にも読みやすい一冊だと思います。
本書にはカーネギーの金言がまだまだたくさん記されています。ぜひ今回気になった方はこの歴史的名著をぜひ読んでみてください!!